2.粘土を選ぶ

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粘土にこだわろう

粘土には、紙粘土、石粉粘土、樹脂粘土、などがあります。これらは乾くと固まるタイプですが、スカルピーのようにオーブンで焼くと固まるものもあります。西洋人形のようなビスク(焼き物)というものもありますが、これについては扱ってません。私が今気に入っているのは、重量紙粘土とシルククレイです。

もう、使い易い粘土を求めて2年も経ってしまいましたが、ついに「これだ!」という粘土を得ることができました。最近は「ラ・ドールやVISIONなどの粘土 + 桐粉」という調合でしたが、桐粉の変わりに「木のネンド」という商品を混ぜると、これが究極に使い易い!(なんか、当の昔にレミさんとかの教室に書いてあったような。でも木のネンドがなんなのかよくわからなかったんだす。木のネンドはハンズとかで売っているらしい)。桐粉は、パサパサしたおが屑の粉みたいなんだけど、木のネンドはすごく粘り気があって、とてもよく粘土に馴染みます。乾いてからも盛りやすいし、いうことなしです。粘土と木のネンドの割合いは半々くらいでオーケー。ぜひお試しあれ。

・軽量紙粘土

紙粘土には、やたらに重量の軽いものと、ずっしり重い2種類があります。最初は扱い易そうだったので、「シルバークレイ」という軽量紙粘土を使ってみました。軽いと、大きい作品でも、楽に持って歩けるのがよい。強度も意外とあります。サンドペーパーでガンガン削ることができますが、彫刻刀がまったく利かないのは弱った。

・重量紙粘土

重いので躊躇していたのですが、3作目はこれで挑戦してみました。水をつけてよくこねないと、やわらかくならないので、これが大変。陶芸の本を見たら、菊練りというこね方があって、勉強になりました。サンドペーパーをかけるのは軽量紙粘土より根気がいりますが、彫刻刀でゴリゴリ削っていくことができるのは便利でした。

・シルククレイ

重量紙粘土の中でも、シルククレイは雰囲気が随分と違います。3作目では、たまたま顔にこれをつかったのですが、餅のように伸び、かたまると石のように固くなります。細かいサンドペーパーをかけると、ピカピカになるのにはビックリ。ただし、そのあまりの固さのため、彫刻刀で削るのは、とても大変です。

・桐粉+フォルモ(主流)

桐の粉(1袋300円程度)と、フォルモ(よく売っている紙粘土だと思う)を一緒にこねる方法があります。桐の粉を混ぜるのは、紙粘土だけだと重すぎるからという理由だそうです。混ぜる割り合いは不明ですが、木目込み人形などでは一般的なので、そちらの書籍などをあたってみるといいでしょう。
その後、Noahさんに、荒いのと細いのがあると聞かされ、ユザワヤに言ってみたら、本当にありました。細かい方がいいんじゃないかと思う。

レミさんのコメント:木粘土と石塑を混ぜるのは、軽くなる点以外に、丈夫になるからです。石塑だけだと欠け易い。

・石粉粘土

「アムー」という石粉粘土を使ってみましたが、これは紙粘土との違いがわからない程度のものでした。ただ、以前使った製品(名称は忘れた)に、固まったら本当に石のようになったものがありました。もう重くて固くて、修正しようがない。

・樹脂粘土

「ハイクレイ」という樹脂粘土を試しに使って顔を作ってみたことがあります。固まると非常に頑丈。表面も、ボンドが固まったみたいな乳白色系の感じになりました。ただ、一度固まってしまうと、まったく刃がたちません。こりゃ使えないなーと思っていたんですが、広野ただしさんから、芯に使ったり、やわらかいうちに削るという方法があると聞きました。ちなみに樹脂粘土は変なニオイがします。

レミさんのコメント:樹脂粘土は私も使ったことがあるのですが、小皺など細かいものをだすにはリアルでいいのだけど、わりと一発勝負みたいで後の補正もきかないし、私もこれは駄目です。

Sidaさんのコメント:樹脂系粘土は固くて〜等? とありますが、フィギアの原形制作などでは良く使われるようです? その場合は、柔らかいうちに適当に形を作り、あとで削るといった工程になるそうですが、やっぱり固いため、カッターや彫刻刀では削れないので「リューター」(小型のドリルの先にやすりを付けた感じの工具)なる工具を使って削るそうです。

・スカルピー

フィギアの原形制作などでお馴染みの粘土です。ほっておいても固くならないのがメリット。いくらでもこねこねできて嬉しい。説明書によると、固めるには「オーブンを使って135度で10〜20分焼け」ということです。うちには、温度調節のできないトースターレンジしかないのですが、スイッチを入れたり切ったりして、温度調節をした気分になって適当に焼いたら、本当にカチコチに固まりました。乾燥の手間が大幅短縮できますね。

型取り法(主流)

粘土の究極の問題は、乾くと固まってしまう点です。だから、後で粘土をもったり、削ったりしています。これだと、後が残りやすいとう欠点があります。じゃあ、もっとじっくり作るにはどうしたらいいか。それには型を作ればよいのです。しかし、これについては試していないので、やり方のみ。

1.油土で原形を作る

これなら乾かないので、いくらでも修正できる。

2.石膏で型を取る

前半分と後ろ半分の型を取る。

3.粘土を埋める

好きな粘土を型に押し込んでやれば、同じ形がいくつでも作れる。あとは前と後を貼り付けるだけ。

Sidaさんのコメント:私は、粘土に「フォルモ」もしくは「ファンド」を使ってます。彫塑用粘土(見た感じ油粘土。都内にバケツで売ってくれるとこもあるらしい。油粘土でもいいんですが、臭いのでこっち使ってます。油を使ってないので固まります。そのため、作業中断のたびサランラップや濡れた布等を被せています)で原形を作って石膏で型を取っています。で、その型の内側にフォルモ等を5mm〜10mmの厚さにはりつけて中空に作ってます。
手足もこうすれば中空に作る問題は解決できるのではないでしょうか? 重さもかなり軽減できます。私はこの方法で胴体までは作りました。乾けば強度も十分確保できています(針金で補強したりもしたが、その必要もなさそう)。また間接の球も丸い発泡スチロールの型をとってこの方法で作りました。マネキンは、このように作っているようです。ただしマネキンはフォルモではなくFRPで作ります。

ビスクドール

粘土を乾かしてかためた人形は、暖かみがありますが、人形界ではビスクドールの方が高級っぽいみたいです。ビスクドールは、焼いてしまったら直しがきかないので、よりパーフェクトさが要求されるからだと聞きました。粘土の方は、少しくらいおかしなところがあっても、ゆるしちゃおうかな、って思われるようですが、ビスクの方は少しの狂いで、評価が最低になってしまうということです。それに、釜とかも用意しなくちゃいけないし、やっぱり挑戦するには壁が厚いです。しかし、腕におぼえのある人形作家の中には、ビスクドールを最終目標にしていたり、つきつめていくうちに転向する人が多いみたいです。


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