5.眼球にこだわる

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眼球の選択

目は口ほどに物を言う、という言葉があるように、人形の命は目である(言い切りっ)。よって、少々こだわらねばならなりません。

・直接描く

絵の具で目を描いてしまう方法が考えられますが、興味ないので却下。

・プラスチック目(主流)

ハンズやユザワヤにいくと、人形用のプラスチックの目が売っていいます。サイズによって値段は違いますが、数百円なので、お求めやすい価格です。

・ビー玉

なんとなく、「ガラスじゃなくちゃダメ」と思い込んだ私は、最初ビー玉を使うことにしました。ビー玉では白目がありませんが、うちのハムスターにも白目がないので、あまり違和感はありませんでした。価格も数十円から数百円程度。

・ガラス目(主流)

人形専門店などで手に入ります。値段は数千円もするので高価です。売っている店で知っているのは、京王井の頭線の井の頭公園駅前にある「プルミエール」です。

・電球

電球で目が光るわけではありません。巨大な人形を作ると、プラスチック目でもガラス目でも、それほど大きいいものはありません。そのようなときには、透明な電球を買ってきて、根元をカットして、内側から黒目と白目を塗る方法があるそうです。
さらに、その発展形として、まず半球ガラスを透明のままはめてしまいます。それから、目の奥の方の半球を作り、そちらに瞳を描いておきます。こうすると、目を見たときに、必ずその人の方向を見つめる目となります。

眼球を自作する(七転八倒奮戦記)

 目線は、人形の力強さに影響するので、できれば自作したいところ(KatanDOLL目が脳裏にちらつく)。私の理想は、市販のものより瞳がでかくて、瞳孔に金属的な光沢がある目です。また、白目の部分を黒くしちゃったりするのもおもしろそう。

 作る方法としては、透明樹脂で作るか、ガラスを溶かして作る方法がありそう。ガラスは難しそうなので、樹脂も考えてみたんだけど、ともかくぜんぜんやったことない。どちらもスタートはいっしょだから、ガラスにしようかな。

○1997/4月某日

 バーナーをハンズで購入。燃料カートリッジの上にバーナーの金具を取り付けるというもの。真上に火が出る。あと、店の人にいわれるままに、バーナーワークで使う針金と、く離剤(粉)と、ガラスを冷やすときに使う、発泡スチロールを崩したみたいなやつを買う。

○1997/5月某日

 バーナーに火をつける。火力が強くて、すげー恐い^^;;;(ほんと、下手すると火事である)。やり方は、金属の棒とガラス棒をバーナーの上でニジニジして、適量溶かして取るというもの。初めてのせいもあって、これはなかなか難しい。ガラスって水飴の濃いやつみたいで、どうしたらいいかわからない。ガラスに何を押しあてて整形するかも、よく考えたら知らなかった。
 ガラスの特性を初めて実感。ちょっとでも温度差のあるものをくっつけると、すぐ割れる。つまり、かなりゆっくりと熱を下げる必要があるってこと。だから専用のガラスを冷やすためのものが必要なんだな。

○1997/5月某日

 ガラスとは関係ないけど、ちょっとひよって、自由樹脂を買ってきた。これは熱い湯に入れるとやわらかくなる粘土みたいなもの。あちちっ、と騒ぎながら、こねこね。おもしろいけど、けっこう形にするの難しい。頑張れば、こういうので目などを作るのもおもしろいかも。でも、もう飽た。

○1997/5月某日

 今度は電気炉で型取りすることを考えた。そのための購入したのは「シロタ」というメーカーの七宝焼き用電気炉「スーパープチ」。この機種は、デジタルで温度設定&温度表示できるのが売り。小さな覗き穴もあった。値段は5万円くらい(ついこのあいだユザワヤで3万5千円くらいで安売りしていた。くやしいなぁ ^^;;)。
 型をとるには、耐火石膏というものを使う。店にたずねたら、後型取りをするには、素焼き粘土くらいしかないようだ。ハンズやユザワヤにもなかなかないので、今回はユザワヤに注文。1kgで500円程度。メーカーは吉野石膏の「ハイストンC2」。

 
○1997/5月某日

 取り敢えず実験。まず、石膏で型を作ってみる。作り方は簡単。石膏を容器に入れ、水を入れてかき回す。水が多すぎないように少しずつ入れる。なんか、水の量か、かき回し方かわからないけど、場合によって石膏の強度に違いがあるようだ。どして?
 それを容器に入れる。流し込んだら、ビー玉を半分うめこんでほっておく。そのまま乾かす。
 十分乾いたら、ビー玉を取って、ガラスを入れる。ここで困ったのが、うちにバーナーワーク用のガラス棒しかなかったってこと。小さいガラスが欲しいのに、どうしたらいいか(溶かすの面倒だし)。しかたがないので、ユザワヤでガラスコーナーにあった、おはじきみたいなガラスを購入。とりあえず2色のガラスを1つの型に入れて溶解。
 ちなみに、ガラスには種類(ソーダガラス、クリスタルガラスなど)がいろいろあって、それぞれ膨張率や融解温度が違うので、いっしょにすると必ず割れるのだそうな。同じ種類のガラスのみいっしょにできるんだって。しかし、買ったガラスの融解温度がどれくらいかはやってみるしかわからんな。
取り敢えず、温度は700度。一般的にガラスの融解温度は700度〜850度くらいみたい(やはり温度表示付きを買ってよかった)。ちなみにビール瓶なんかは、かなり高温でないと解けないらしい。
 700度に達したところで、すぐスイッチをオフ。冷やして出してみる。いちおう、2片のガラスがくっついた。光沢も変化なし。しかし、完全にとけるところまではいってない。次はもっと温度をあげるぞ。

○1997/5月某日

 ここで、ガラス目の構造から、作り方をもう少し練りこむ。買ってきたやつを見ると、だいたいこんな感じだろう。

図入る

 そこで、まず石膏で図Aのような型を作って、真ん中に黒ガラスを入れ、その上に白ガラスを入れてみる。次に、図Bのような型を作って、真ん中に透明ガラスを入れ、そのうえにAで作ったのを入れ。上の隙間に白ガラスを入れればできるんじゃないだろうか。

図A+図B

 取り敢えず、図Aの型を作る。しかし、こんな型、どうやって作ったもんだろう。そこで、2段階流し込み方を考える。まず、石膏を半分流し込んで、中央のくぼみだけ作る。次に円で囲んで、もう半分石膏を流し込む。左官屋にでもなった気分。でも、望みの型はできた。

○1997/5月某日

 型にガラスを入れる。ここで、やっぱり「細かいガラス。できれば粉ガラスがほしいなぁ」と思う。しかし、前にかったおはじきガラスを金槌で思い切りたたいても、いっこうに割れる気配なし。そこで、ガスレンジにガラスを熱して、水で急激に冷やしてみる。ジュッとなるが、変化なし。金槌で叩いてみる。きゃはは。割れる割れる。多分、これをあっくんが見たら、笑われるに違いない。はは。
 またまた釜入れ。今度は、温度を820度くらいまであげてみる。あげたら30分くらいそのままにして、冷やす。おお、今度は解けてる。思い切り。しかし、今度は色があせてしまった。透明度がなくなっている。これは熱しすぎたためもあるかもしれないが、本(ユザワヤで買った「だれでもできるガラス工芸(文遊社)」は、参考になる)を読んだら、ガラスを細かくして溶かすと、透明度が下がるとかいてある。次は、温度をもうちょっと下げて、ガラスも片も大粒のを選択してやってみよう。

○1997/5月31日

 デザインフェスタにいったら、ガラス工房(ガラス入りの指輪なんか作っているとこ)があったので、のぞいてみる。そしたら、キンチョールみたいな燃料カートリッジで、横に火が出るハンドバーナーを使っていた。「これいいじゃん」と思って聞いたら、そこらではあまり売っていないらしい。バーナー買うなら、こっちのほうがよいです。これ使えば、炉を使わなくても、型をとって、ガラス入れて、ハンドバーナーでガンガン熱することができそう。もしかして炉なんて必要ないかも。見つけたら、かっちゃおっと。
 あと、ガラスを作っても、仕上げで表面を研磨する必要がある。リューター(電動式の工具)とか、ダイヤペーパー(ダイヤの粉のヤスリだと思う)ってものがいるのだそうだ。調べなくちゃ。

○1997/6月10日

 再度、型を使って挑戦する。温度を750度くらいで焼いたら、透明度をたもったまま解けてくれた。まあまあの状態だ。

○1997/6月24日

 ユザワヤであれこれ物色していたら、すごいいい方法を思い付いた。これまでの方法でどうもうまくいかないのが、瞳孔などの真円ができないことだったんだけど、七宝焼きのコーナーを見ていたら(これまで七宝焼きがどういうものかまったくしらなった)なんと丁度よい大きさの盛り付けよう銅板があるじゃないの。これなら、模様を描いたりするのも自由。縁も金属光沢がでる。最終的に白目や透明部分をどうするかが問題だけど、これはいけるかも。にこにこ。



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