A.仕上げ、彩色

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仕上げ

いよいよ最終工程です。ここまでで、人形の形やバランスが完成している必要があります。色を塗ってから直すのは、ないようにしたいものです(といいながら、けっこうやってたりして^^;)。

1.サンドペーパーをかける

全部のパーツができたら、十分サンドペーパーをかけておきます。大きく削るときには目の粗いサンドペーパーを、滑らかにするなら、目の細かいサンドペーパーを掛けます。

2.胡粉を塗る

私は、胡粉にベージュやら、茶色やらを混ぜて、色を付けてしまいました。また、ちょっとテカテカさせたかったので、パール系の絵の具も混ぜてみました。胡粉を初めて使ってみましたが、厚塗りができるうえ、渇きが早いので、とても気に入りました。これを塗って、目の細かいサンドペーパーを掛けて、また塗って、というのを3回くらい繰り返すとよさそうです。
胡粉というのは、貝殻をつぶして粉にしたものらしいです(下塗り用と仕上げ用というのを作るのが本式みたいです)。私は、すでに溶液状になったものをユザワヤで買ってきて(500円くらいでした。ユザワヤには粉の胡粉も売ってます)お気軽に使ってみましたが、本来は扱いがとても難しいもののようです。「木目込み人形の作り方」みたいな本を見ると、人形作家の人が「何年胡粉を作っても、うまくいかないことがある」みたいなことを述べていました。失敗するとどうなるんだろう。不明。
胡粉を塗ったところに、セロファンテープを貼り付けて、はいだら、胡粉まではげてしまいました。そういうことはしない方がよさそう。古めかしくはなるけど。
仕上げ用(下塗り?)としては、胡粉じゃなくて、ジェッソというのもよく使われているみたいです。私は使用したことがないので、効果は不明。

レミさんのコメント:私はアクリルエマルジョンという塗料で作っています。弱点は、傷つき易いこと、胡粉のようなカチッとした硬さがないことです。

Noahさんのコメント:まず桐粉+CMC(roro注:CMCというのは、のりの一種らしいです。ユザワヤの日本人形コーナーにありました)のあとフォルモで滑らかにします。初心者は表面仕上げにモデリング・ペーストを使います。水で薄めて3ー4回塗った後磨きます。しかしペーストも弱くて剥離しやすいのでやはり胡粉が一番です。
うちの学校では胡粉に木工用ボンドをまぜて使っています。まず粘土位の柔らかさになるまで手でまぜて、その後さらにずこしずつ胡粉を加えて練っていき、最終的にもうまざらないとこまで加えます。次に熱い湯を用意して、すこしずつ加えてゆるめていきます。この時ほんとにすこしずつ加えて、すりこぎで練って、湯と分離したりだまができないようにたんねんにやらないといいものができません。
これは口で説明してもわからないかもしれないのですが、とにかくだまがなくなってとろーっとなるまでゆるめて、アミでこしてできあがり。刷毛で三回位ていねいに塗ってみがきます。着色も上塗り用の胡粉を同じように少量作って、日本画の顔料を混ぜて使うと 本当にあたたかみのある肌になります。ホームページ(roro注:Noahさんのホームページね)のタイトルページの人形はそれで作ってあります。
こんな風にえらそうにいっても私はほんとに胡粉作り苦手で、大嫌いです。でも磨きやすいし、やはり見た感じもあたたかみと透明感があってかつ丈夫という点ですぐれています。

Noahさんのコメント:ジェッソというのは、白い塗料のことで、本塗りをする前に発色をよくするために塗る下塗り剤なので、表面のカバーにはなりません。
胡粉以外で手軽なものは「モデリングペースト」です。ペーストは画材店等で売ってます。どろっとした液状で1:1位の水で溶き、刷毛でぬります。乾いたらまた塗る、を丁寧に3,4回繰り返します。磨きはサンドペーパーで、初めは60番位でざっと磨いて、あとは細かいところ240番位で根気よく磨きます。もしはげちゃって下地が出たりしたら、そこだけまたペースト塗って修正します。人形作ってて一番嫌なのが この磨き、でもここで最後の出来栄えがズーンと変わるのでがんばりましょう。

Yukiさんからの質問:「汚し」というのは 胡粉を塗った後に行うものなんでしょうか? 過去の失敗で 胡粉などの存在を知らなかった私はやすりで磨いた後にいきなり絵の具で着色し 布でこすった経験があります。その時は絵の具で表面が多少とけてしまっていたらしく、そこをこすったので何日もかけてテカテカにした顔を、一瞬でザラザラにしてしまいました。胡粉を塗ると大丈夫なんですか? また、前に材料屋さんで「ドールフェイシー」という真っ白い液体を見かけたんですけど、胡粉とは違うものですか? しっとりしたつやを出すって説明してありました。

上記質問に対するレミさんのコメント:仕上げに使う胡粉を塗るということは、人形自体が胡粉の薄い層で包まれているような状態で着色汚しはこのあとですね。ドールフェイシーは胡粉に似せた塗料といえるでしょう。あまり良くないと思う。ジェッソの方がまだいいと思いますが、でも試してみなければ、どれが一番自分に適しているかわかりません。まずは、いろいろやってみよう。

Yukiさんからの質問: 着色したあとは何もしなくていいんでしょうか? 絵の具を保護するようなものはいらないの? 厚塗りするわけじゃないからいいのかなぁ。

上記質問に対するレミさんのコメント:エマルジョンの後は油絵の具で肌色を整えてシャドウやメークをします。ニスをかけると球部分がかたつく、数年たつとニスにひびがはいるので使いません。

3.化粧をする

唇や目の回りを中心に化粧をします。マニキュアなんかもするといいかも。3体目は、唇を蛍光色のオレンジを薄くして塗ったりしてます。

4.汚しを施す

汚し、というと聞こえが悪いかな。色に深みを与えるってことです。話によりますと、茶系の油絵の具をボディにこすりつけて、それを拭き取って、またこすりつけて、というのを繰り返すと、肌に深みが出てくるんだそうです。ただし油絵の具が乾くのには1か月は必要なので、私はアクリル絵の具を塗ったりしてみました。

5.洋服を作る

これは、私には無理なので、人に頼んでます。本当は自分で作るのが一番よろしいです。しかし、できないものはできないのじゃい(涙)。

万歳! 完成

お疲れ様でした。しかし、これだけでは、魂を宿した、オーラをバンバン放つ人形はできないのでありました。ハングリー精神、アンダーグラウンドな趣味、謎につつまれた生活、血みどろの愛、ストレスにコンプレックスにトラウマ、といったものにずっぽり浸り、自分自身を改革していかないと、やっぱダメなのかも。うう。


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